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いそがずに ちゃくちゃくと [詩・ことば]

 好きな詩を2つ。卒業式でも使ったことがあるもの。子供たちにと去年から作って、音読や道徳で使っている詩集に、追加しようっと。

 すきなフレーズが多い。どれもいいなぁ~

 だいぶ眠くなってきた。今日も持ち帰ってやる仕事が多いのに・・・まずい。

美しく自分を染め上げてください          

サトウハチロウ
赤ちゃんのときは白
誰でも白
どんな人でも白
からだや心が
そだっていくのといっしょに
その日を
美しく染めて行く
染めあげて行く

毎朝 目がさめたら
きょうも一日
ウソのない生活を
おくりたいと祈る
夜 眠るときに
ふりかえって
その通りだったら
ありがとうとつぶやく

ひとにはやさしく
自分にはきびしく
これをつづけると
白はすばらしい色になる
ひとをいたわり
自分をきたえる
これが重なると
輝きのある色になる

なにもかも忘れて
ひとのために働く
汗はキモチよく蒸発し
くたびれも よろこびとなる
こんな日のひぐれには
母の言葉が耳にすきとおり
父の顔が目の中でゴムマリみたいに はずむ

生まれてきたからには
よき方向へすすめ
からだや心を大きくするには
よき道をえらべ
横道はごめんだ おことわりだ
いそがずに ちゃくちゃくと
自分で自分を
美しく より美しく 染めあげて下さい

 次は、国語の教科書にも載った「川崎洋さん」の詩です。

いま始まる新しいいま
               川崎 洋

  心臓から送り出された新鮮な血液は
  十数秒で全身をめぐる
  わたしはさっきのわたしではない
  そしてあなたも
  わたしたちはいつも新しい

  さなぎからかえったばかりの蝶が
  生まれたばかりの陽炎の中で揺れる
  あの花は
  きのうはまだ蕾だった
  海を渡ってきた新しい風がほら
  踊りながら走ってくる
  自然はいつも新しい

  きのう知らなかったことを
  きょう知る喜び
  きのうは気づかなかったけど
  きょう見えてくるものがある
  日々新しくなる世界
  古代史の一部がまた塗り替えられる
  過去でさえ新しくなる

  きょうも新しいめぐり合いがあり
  まっさらの愛が
  次々に生まれ
  いま初めて歌われる歌がある
  いつも いつも
  新しいいのちを生きよう
  いま始まる新しいいま

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